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トップから〜OWNER'S SUGGESTION
 

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■vol.14
時代性を超える価値を生む
■vol.13
チャレンジの先に
成功が見える

■vol.12
時代に切り込むための
モノとサービスとコンテンツ

■vol.11
今こそ自負あるお菓子づくりへ

■vol.10
サービスの対価と価値の創出

■vol.9
利のルールは、義をもって。

■vol.8
和菓子の グローバリゼ−ションを考える。

■vol.7
パッケージデザインに
求めること。

■vol.6
専門店の時代到来!

■vol.5
お菓子一個の価格が原点。

■vol.4
コラボレートの時代
異業種に学ぶ

■vol.3 2005年
本物のものづくりの時代へ

■vol.2 時代を見据えて
■vol.1 新しい菓子のスタイル

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Vol.15


 政権交代をへて、残年なことに歴史上ないくらいの不況の時代を迎えそうな年明けとなりました。いずれの業界においても安売りが安売りを生む循環が極端なデフレスパイラルとなって現れています。財源厳しい政府は消費を上げるような起爆剤も打ち出せていません。だからと言って商売をストップさせることはできませんが、少子化と消費スタイルの変化を合わせて考えると、過去に見習うべきモデルもないように思います。
 何を基準にして物価が決まってくるのか。消費の決め手となる価格の価値は何なのか。どこかで価格下落の限界がくるとは思われますが、それが生産者の原価コストに見合うものなのか。消費者のスタイルは千差万別で、ものすごく細分化されてきていますが、それが普遍化をおこし、いわゆる価値の液状化現象をおこしつつあります。
株式会社アンゼン・パックス代表取締役 尾関武男

■ブランド戦略が試される時代
 現代は、衣食住あらゆる分野でブランドが存在するようになりました。食の分野でも、生鮮食品であれ、お菓子、嗜好品、あらゆるものにブランドがあります。購買力があった時代は、余裕ある人が買うだけでなく、少し背伸びをして買う人が実は大きくブランドの基盤を支えてきましたが、その背伸び客も近年は、かなり“おりこう”になってきました。知恵がどう作用したかというと、ファッションで顕著なようにアウトレットが盛況です。エルメスやヴィトンならこれ、というものもアウトレット店の情報でいちはやくつかむことができます。消費者はブランドというものの機能性を認めてはいるものの、2つめ3つめのブランド品に手は出さない。次々と新しいものを追うこともありません。これは車や家電品の購入についても同様です。

 これに似た現象が、お菓子の業界でも、特に洋菓子、チョコレートの分野で多少起こってきているように思います。パティシエブランドは、お菓子業界を一世風靡しましたが、その本質的なおいしさや味の差を日本人がどこまで吟味できるかというとやや疑問です。ファッションに似て、きれいさ、おしゃれさ、パティシェの顔などのポイントがそのブランドの5割以上を支えてきたというと極端かもしれませんが、どれが重視されるのかも実に多様です。ポイントをいかにしぼって特化するのか、やや飽和状態となった現在においては、ここからは生き残りの勝負になってくるのかもしれません。

 ここで他業界を見渡すと、たとえばユニクロは、自社の商品を主役ではなく脇役と決めて、インナーという誰もが必要とする分野に特化してきました。そこに、単にリーズナブルなだけでなく、プレーンなオシャレさ、カラーバリエーションの多様さで選択の幅を広げ、戦略をたててきました。経済の好不調に係らず、業界トップを目指す企業の商品特化は、車や家電品、インテリアなどの分野でも顕著になりつつあるのが現代の傾向でしょう。消費者の購買心理の把握、時代を見据えた販売戦略は、いずれの業界においても見直す力が不可欠となっています。

■ギフト包装かノン包装か
 デフレ時代の値上げが、どんな業界でも厳しいのはあたりまえです。その分、「無駄を無くそう」とする企業のコスト削減策も加速します。パッケージをコストダウンさせて商品価格に還元する、あるいは環境を守るというPRは、消費者の共感を呼ぶものと思われます。この現象はパッケージを提供している包装業界にとっても大きなテーマであり、個々の商品にとってのジャストパッケージングを手がける弊社が数十年来追求していることです。

 一つ言えることは、お菓子には自家用とギフト用といった購入用途が歴然とあり、多様化したギフト需要が業界を支えているということです。お菓子自体が消費者の「夢」を含む商品であり、パッケージは作り手の情報がデザイン化されたメッセージメディアで、当然ながら専門店として他店との差異をもたらすものです。お菓子のブランドに対する価値は、パッケージを含め、常に、贈る人から贈られる人への心を伝えうることにあるでしょう。自家用であっても、それを買って食するときの気分は、お菓子屋さんから自分や家族に贈られているものに近い商品特性をもつと考えます。

 言うまでもなく、消費の選択の決め手は商品価値と代価が見合うかどうかが大きなポイントです。購入用途にセグメントさせたパッケージのあり方を考える、あるいは同一のパッケージをアレンジによって使い分ける、など本当に消費者が必要としている価値をふまえ、コストの見直しを重ねなくては、本末転倒となりかねません。

■+αでブランドの価値観をつくりだす
 現代のブランドに対する一般的な消費者の価値観は次第に変化しています。その一つが社会貢献的な活動への注目度です。独自の商品力やヒストリーだけではなく、広い視野の企業姿勢が、魅力や価値観につながる現象は今後も高まるでしょう。
 すでに大小のお菓子屋さんが取り組み、店頭やパンフレットでのアピールも見えはじめています。特に大々的に構える必要はありません。商品の売り上げの一部を基金とする活動や、厳しい状況にある原料生産者との連携、お菓子の文化を伝える活動、たとえば他業種企業と共同で地元商店街を盛り上げるシステムを考え実行することも社会貢献につながるでしょう。消費者が想像できる範囲で示される、専業ならではの社会貢献は、どんな小さなことでも新たな価値観となりえます。店と消費者間で閉じてしまうのではなく、商売とそれをとりまく環境を二重にとらえ投資する考え方が、店全体にとってあらたな活力となるでしょう。消費者には、お菓子を買うことで社会貢献しているという意識より、その店が好きになるという感覚が生まれ、それが新たなコミュニケーションを生みます。

 消費者は納得した商品にしか関心を示さない傾向がますます強くなってくると思います。衣食住いずれの分野を見渡しても、そのこだわり、生活スタイルが消費の分散に直結してきています。雇用不安、少子化の影響をうけ経済が低迷する一方で、携帯や通信費をはじめ生活の必要コストは固定化され、生活スタイルを決めていかざるをえない若者たちが、お菓子業界にとってもコアな消費者となる時代がやってくるのです。お菓子のおいしさの価値とともに、専門店のブランドの価値がこの先どんな風に変化していくのか、いよいよ真剣に考えて、アクションを起こしていかなければ間に合わない時代となってきました。

 2010年の年頭にあたり、弊社も、お菓子とパッケージの一蓮托生はもとより、現況とその先に眼を凝らし、今後ご提案するパッケージのあり方を一層深めていく所存です。
 お菓子を作り続けるにとどまらず、この低迷する時代だからこそ、広い視野をもった見方、敢然とすすめる戦略が生きてくるとも言えます。信念のもと、実のある一年にいたしましょう。

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