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 東京神田にある近江屋洋菓子店は、創業当時(明治17年)のレトロな雰囲気が現代にも息づいているお店だ。
 渋い青色の天井、濃い木目の壁が目を引く店内は広々として開放的。喫茶スペースには(昔の?)ホテルのラウンジにあるようなテーブルや椅子が置かれている。これらの古めかしいインテリアがかえって新鮮に映る。昔懐かしいボリュームのあるケーキは、長年使われ続けている感のあるブリキのプレートに、丁寧に並べられている。一見、野暮ったくみえそうだが、ブリキの無機質感がかえって、作り立てのケーキがそのまま商品ケースの中にあるような雰囲気を演出しているようだ。

  店内と同じように、パッケージにも近江屋独自のテイストがある。パステルカラーの可愛らしいイラストがちりばめられている包装紙が特に目を引く。バラ菓子用の紙袋と、キャリーバックはそれとは対照的に、クラフト紙にお店の住所等が印刷されただけの飾り気のないシンプルなデザインだ。お店の雰囲気とはまた違う、昔なつかしい印象を受ける。
   
■近江屋洋菓子店
東京都千代田区神田淡路町2-4
03-3251-1088
http://www.ohmiyayougashiten.co.jp/

 レトロな店内と独自のテイストがあるパッケージと同じように、お店に流れる【独特な時間の流れ方】もお客様を引き付けているように感じる。
・喫茶スペースでお茶を楽しむ人、ギフトをじっくりと選んでいる人
・カウンターで座りながら新聞を片手にケーキを食べている人
・ドリンクバーの前でどのジュースにしようか迷っている人
店にいる人それぞれが(お店の方でさえも)、思い思いの時間を自分のペースで楽しんでいる。昔はきっとこのような、きどらない、ゆるやかな雰囲気の中で買い物や飲食を楽しむことが出来たお店が、多くあったのではないだろうか。

 昔ながらの野暮ったさと、現代にも通じる魅力的なデザインが絶妙なバランスで存在するお店。 流行の移り変わりが激しい東京では貴重な存在だ。古本屋めぐりで一息つきたい時に、是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

(text&photo by 西本 裕美子)

 
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