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茶の間 菓子の間
     
お茶とお菓子の間をとりもつティータイム。仕事の傍ら、お茶に魅せられてアジアの茶場を探索する広岡さんは、菓子通としても知られ、お茶をみつけたらお菓子、お菓子があればお茶を、と常にマッチングを愉しんでおられるとのこと。日頃の愉しみ方からおもてなしのアイデアまで、ジャンルやスタイルを問わず綴っていただきます。
 
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茶の間菓子の間

 仕事とプライヴェートの用件に忙殺されていたときに、XiangLe中国茶サロンから台湾の旅行案内が届きました。忙しさに身も心もくたびれていた私は、盛りだくさんの予定表が誘い込む魔の手(!)に翻弄されるがごとく、いてもたってもいられずに、とにかく申し込んでしまったのです。その後仕事の調整のために、再び疲れもしましたが、久しぶりの台北は、道も建物も格段にきれいになっていて、しばらく会わなかった友人が若く元気でいてくれるのを見て驚きながらも嬉しくなるような、そんな気持ちで、前回訪問からの、あっという間の時間の経過に思いを馳せたりしました。が、工藤佳治先生の旅行は、いつも欲張りな程に盛りだくさんで、体力と胃の消化力が必須。そんな感慨にふけっている暇はありません。
 翌日さっそく、木柵の張さんを訪ねたのでした。台北郊外の木柵は、ちょっとしたハイキングコースのようで、その日も山を歩く人たちに出会いましたが、その道は、その昔、大陸から渡ってきて、この地でお茶作りを始めた方たちが、お茶作りのために切り開いた道だったのです。XiangLeサロンでは、張さんの木柵鉄観音が出てくると、その香りで、すでにもううっとり。飲めば、心と体のどこかで自分をしばっていた糸が、すべて解けてくるような、力強さと優しさとがある、特別なお茶。深いところから、ほっとする感じでした。その張さんに、お会いできるなんて、と、期待も満杯。爽やかな風が、通り抜ける気持ちのよい山の中腹にある広い部屋でお会いしました。100年ほど前に、大陸の福建省安渓から渡ってきた張さん一族が、木柵の地に鉄観音の苗木を植えたところ、それが根付き、それから栽培の歴史が始まったといわれています。その一族の子孫で8歳のときから茶づくりを始めた自称97才の張さんは、果実のような香りの濃厚な味わいのお茶を作り出したのです。顔もつやつや、その手もつやつや、握手をさせていただくと大きくて温かく、とても、力強いのでした。
 お茶屋さんめぐりでは、「自然之味」に興味をそそられました。ISOを取得したり、新しいお茶を作り出したり、社長は、若き企業人としても注目され、ビジネス誌にも載っているようでした。(友人は、社長手ずからこの雑誌を戴いた模様)これから新しい形でも伸びていくであろう台湾のお茶ビジネスの姿を垣間見た思いがしました。ここでは、歓迎のために、お菓子を出してくれていました。和菓子をヒントにしたものか、と思われるものが、いくつかあり、売るためではないとはいうものの、いつか、この方面でも何か考えがあるのかな、と思わせられ、これからがさらに面白そうです。
 今回焼き物では「焼芳窯」で、水盃を建水に見立てて購入。抹茶茶碗に見立てた茶碗も買い求め、お気に入りに追加しました。水盃は、蔡さん自ら「お花を生けるときにも使えますよ」とおっっしゃってくださり、記念の品になりました。いつかお茶会で活躍する日が楽しみです。

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