 |
|
 |
 |
 |
あるとき、友人から「眠れない夜には、どうしているの?」と聞かれました。実は昔から、いつでもどこでも眠れる態勢の私は「?」と、まったく返答に困ってしまいました。今年から太極拳を始めたのですが、質問の主はその太極拳の先生でもあるのです。「しばらくストレッチをしていると、眠くなってくるのだけれど・・・」などと、ストレッチの方法をいろいろと教えてもらいました。今はどんな時でも眠れてしまうこんな私にもいつか、眠れない夜というものがやってくるのかもしれない。ふと、そんな夜には、どのようなお茶ならぴったりくるのだろうか、と考えました。
ネパールで求めた「マサラティ」なら、ちょうど、スパイスの香りが身体を芯から優しく包みこんでくれそうです。ネパールでは、甘いミルクティのほかに、スパイスの効いたマサラティも定番。ネパールのスパイシーな煮込み料理の後にも、ほんのり甘さを感じさせるマサラティを飲むと、不思議と落ち着くのです。本来はシナモン・クローブ・オールスパイス・カルダモンなど、お気に入りのスパイスの調合をするところですが、紅茶専門店で、すでに茶葉の中に、スパイスが調合されたものを求めてきました。
鍋に茶葉を煮出してミルクを加えれば、マサラティのできあがりです。お菓子は、ネパールのムング豆(moong beans)。緑豆の皮をとり油で揚げたもので、これは、ガイドのビニタさんのお母さまの大好物とのことで、仕事でカトマンドゥに出るたびに買う豆だそうです。私もどんな味がするのかと、買ってみることにしました。お気に入りの豆の袋には、緑豆だけでなく、ピーナッツや、焼きそばのような揚げた麺などが入り、少しだけスパイシーな味付けです。もう一つのものは、小さめの緑豆が塩味に仕上げてありました。気をつけてみると、この豆は、どこにでも売っている大変にポピュラーなもののようでした、ビニタのお母さまが気に入っている理由は、揚げ油が新鮮だから、のようです。確かにスパイスの味わいもほどがよく、ちょっとしたおつまみに、口当たりも適当な歯ごたえと、後を引く味、クセになりそうな美味しさです。マサラティとの相性もぴったりでした。ムング豆は、アーユルヴェーダの考え方では、身体にいい食べ物とされているようです。ネパールではチベット仏教とともに、ヒンドゥー教の人たちも多くいることからも、このムング豆が好まれているのでしょうか。
先日、不覚にも風邪をひいてしまったのですが、眠れぬ夜ばかりでなく、疲れた体のためにも、このマサラティは、身体を温めてくれる効果があるようで、身体を温めたいときにもおすすめです。
また、マサラティを求めたのと同じときに発見して驚いたのは、ネパールに「ウーロン茶」と、「グリーンティー」があったことです。さっそく求めてみました。「ウーロン茶」の茶葉のカタチに注目ください。なんと、鳳凰単_のように、大きな茶葉が、クルリングルリンと軽くよれて捻じれているだけのカタチをしています。といって発酵度は、鳳凰単_ほど深くなく、茶葉の色も緑色が濃いような色合い。淹れてみると意外と煎が効かず、2煎がやっとかな、という感じでしたが、ネパールに、このようなきれいなカタチの茶葉のウーロン茶があった、というだけで、うれしくなってしまったのでした。グリーンティの方は、袋を開けると日本茶と間違えるような香りが立ち昇ってきました。注意して淹れたつもりでいましたが、かなり苦い。お湯を入れると、先ほどの茶の香りが、あまりしなくなっていたのが惜しかったです。どちらにしても、そこに、お茶があった、ということが、なんとも言えず、おもしろく思えたのでした。
そして今回は、再びマサラティの登場。戴き物の京都のカステラを、合わせてみました。「取り寄せたばかりですのでどうぞ。」とのご挨拶で戴いた京都・越後家多齢堂の「加壽天以良」は、初めての味わいでした。なんと、今まで味わったカステラの中で、一番と言っていいほどに甘みが少ないのです。その分、ほのかに卵の甘みが感じられて、カステラそのものを、じっくりと味わったような素材の味が際立つ贅沢な印象でした。紅茶屋で求めたマサラティは、スパイスがほんのり甘く優しい味わい。一方お土産屋のマサラティは、スパイスが効いて多少辛めの味わいでした。カステラとの取り合わせ、いつまでも暑かった晩秋から、急に寒さが身にしみる冬に変身したこの季節に、芯から温まって幸せを感じるのに充分なものでした。
|
 |
 |