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スイーツ天国日本。もう商品は出尽くしたと思っても、どこかで新商品が生まれています。そして、その特徴は、いずれも「和」がベースであること。「和風ラスク」も「もちクリーム」も、伝統を重んじる視点で見れば邪道かもしれませんが、新しいものが生まれる瞬間はいつもそんなもの。でも「カレーライス」だって「パチンコ」だって、お菓子なら「カステラ」だって「どら焼き」だって「ショートケーキ」だって、どこかに<和魂>が潜んでいたからこそ、消費者の心をとらえたのではないか。「和菓子」も黎明期においては時代の最先端、一つのアイデアが次々他と創発をおこし、その時代に応じ変遷しながら今の支持を得ています。日本の消費者は、直輸入の海外ブランドにあこがれ、伝統ある本物を志向していますが、その心は常に<和魂>と確信をもってつくられた新しい商品を求めているように思います。
前段が長くなりましたが、辻口シェフの「和楽紅屋」の商品開発と販売力には、パティスリーやチョコレートで積み上げてきた実績を感じさせます。人気を呼んでいるのはシェフブランドの力だと思いますが、和菓子をやろうとしたことよりも、「ラスク」というアイデアを商品化へつなげたことそのものが面白いと思いました。和服姿で楽しんでいるシェフの次の展開には、やはり注目してしまいます。
昨年末、デパ地下で一気呵成に行列をつくった「mochi cream」。もち+クリーム+あんorペースト(+ときにフルーツ)。きわめてシンプルな構造をパタナイズした商品ですが、 まず「餅」であること、これがヒットのポイントだと思いました。包餡したタイプの洋菓子と言えば、なんといってもシュークリーム、最近のマカロンブームもクリームをサンドさせたタイプで、いずれも手でつまんで食べるスタイル。
二口サイズ、比較的安価、冷菓であること、クリーミーなこと、フレーバーの選択肢が多いこと、カラフルで愛らしく、ちょっとキッチュな店頭、ジェラートショップのような手軽さ…がうけていたよう、息の長い商品に育てるのか、いやまったく違う展開を重ねるのか、「次の手」が注目されるところです。
実際のところ、商品を考える時からヒットを狙うというのは二の次で、市場は<和魂>を求めていることに立脚すべきなのだろうと思います。純和風だけが和の魂ではなく、スタイルを変えてもそこに日本が本来もっている魅力と、オンリーワンの気概と、ゆるぎない方針があれば、日本の商品たる魂、見えるような気がします。
(text & photo by 田中晶子)
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「和楽紅屋」の和風ラスク

「mochicream」24種類がある。
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