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羊羹が売れています。とろけるような小豆あんの最中も好評です。饅頭のあんは、しっとり、ジューシーになりました。ショーケースの中で端に置かれていたものが、一気にメインステージにディスプレイされる、そんな逆転劇もありえます。小豆あんの和菓子は健在です。私など、何年たっても飽きることなく、つい手が出てしまいます。
■生活のスタイルは変わっても菓子は変わらず。
空港では日持ちのしない当日限りの和菓子が売れています。カフェでは長崎カステラが人気です。ですが主食のように日々食べられるものではないのが、お菓子の本来。だからこそ売り方の工夫が少し必要、腕のみせどころです。
菓子を見ると季節の先取りができ、迎える季節の楽しみを待つ心も生まれます。何度も繰り替えしお伝えしてきました。お正月には、梅の花が咲く頃には、節句には…とやはり季節と歳時と菓子は切り離すことはできません。売り方のポイントも基本は常に変わりません。
■いままさに、和菓子がブームです。
海外からみる日本はゆっくりとゆとりのある国のようです。競い合うこともなく、食文化、特に菓子にまつわる独特の文化を持っていることもその一つではないでしょうか。そして国内外を問わず起こっている和食ブームは、その傍役であるお茶や和菓子への注目度ではかれるような気がしています。
特にギフトとしての和菓子、細やかな味わいと美しいデザインは、他国にはない文化が感じられます。箱にパッケージされたお菓子を器に盛ってもてなしとすること、そこまでを考えたプレゼンテーションが和の心を映し出します。和菓子販売の基本は、和の心をどう演出するかが大切になります。
■お客さまの購入スタイルも変わります
お菓子を買いに店へと足を運ぶお客様と、菓子のつくり手の意識が、少しづつズレていくのが気になっています。幅広い年齢層すべての嗜好を満足させよ、とは申しませんが、少なくとも年令の格差は年々縮まっていることには気付いてください。生活スタイルの変化、街並みの変化は常に感じていて欲しいと思います。
■しばらく休筆です。
さて、長きにわたり書かせていただいた「季に折々」は、本稿をもってしばらくお休みさせていただきます。これまで読んで下さっていたみなさまへ、心から感謝します。
一年十二ヶ月のサイクルで巡ってくる歳時と和菓子の話を書き始めたものが、一年で終わらず、十年あまり、ついつい長くなりました。
この連載をご覧いただいた方から連絡や便りをいただいたり、講演のお話をいただいたりと、多くの出会いがありました。
日本が日本らしく魅力を保っているのは、和菓子屋さんが頑張っておられてこそと思う気持ちは、書きはじめた頃からずっとかわりません。
また何かの機会を得て、みなさまにメッセージをお送りしたいと思います。
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