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城戸翔寉 きどしょうかく
和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。 |
比較的暖かなお正月を迎えることができました。身近なことしか知り得なかった頃からすると、今は世界の情報の広がりをすぐ手にすることができ、逆に大変なこともたくさん知ることになりました。
それでも新年はくり返されます。すべてのことを“往く歳”に託し“来る歳”に願いを込める意味で、お正月様という神様を迎える行事は、変わることなく続いています。
■季の風と郷土のかおり
何度もくり返し同じ事を決まった時期に行い、宗教、地域、親族、家族、そして職種もこえて続いている歳時。それらをいかにして菓子に託し、次の世代へつなげてゆくかを、私も考える年齢となりました。
“ハレ”のもあれば“ケ”のものもあります。大自然に対する恐れや感謝の中からうまれた“穢(けがれ)”や“直会(なおらい)”などのしきたりは、それぞれの風土の中で歳時として育ってきました。これを“季(とき)の風”と呼び、“郷(ふるさと)の香”とともに、お菓子にこの二つが無くては…とお話ししてきたつもりです。
■鬼は外、福は内
節分は季節を分けるという意味で、本来四季毎にありますが、今はトップバッターのみが行事化されて残っています。豆はぜひ三方に高く盛るか桝に入れて、お店の目立つところに飾ってください。そうそう、年末には小豆を同様にして飾ることもぜひ覚えておいてください。
本来は“年取り豆”といって、自分の年齢数の豆を食べてもらおうというものです。が、そこはお菓子屋さん、どうぞ大豆を使って『年取り豆の菓』をお作りいただき、皆様に振る舞っていただけませんでしょうか。
■会席の膳からも、菓子が消えつつあります
菓子処にしかできない事もたくさんあります。『年取り豆の菓』もその一つのアイデアですが、有名な和食処や、NYで大ブーム中のレストランでも、デザートには抹茶のジェラートや果物が登場、あと、もうひと工夫された菓子の出番が待たれます。
もはや1社や1業種ですべてをまかなえる時代ではなく、どんどんとこちらから試作を持って伺うといいと思います。個人で難しいならば、組織が一緒になって考えてゆくのが筋かなと思います。
今年一年がよき歳でありますよう。 |
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