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季に折々
城戸翔寉さんの月刊コラムです(全国菓子工業新聞に連載中)。
歳時の話に店づくりに役立つ販促ヒントを折込んでお届けします。
 
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コラム〜FROM INSIDE
 


 三寒四温とはよくいったものです。寒さの中を暖かな風が吹く度に木の芽ふくらみ、新緑の訪れとなります。もちろん、小さな日本列島の南北でも芽吹く時期は異なり、長い歳月の中で、季の風の到来ごとにいろんな歳時も誕生(うまれ)ました。そんな中から和菓子も育まれて今にあります。
■ 海外の日本ブームのひとつに菓子もあります
 春を待つ桜餅も、道明寺と長命寺のニ種がありますが、意外や常に口にしているものだけが桜餅と思っている方々がほとんど。となれば、ひとつの箱の中に二種入った“さくら餅”の販売を考えてはどうでしょう。レシピがあれば東西日本の二つの菓房のコラボレーション企画も可能です。
 海の向こうでいただく“さくら餅”も、由来や歳時と共に紹介されていれば、もっと根付いていくものではないかと思われます。海外の、特にマンハッタンの日本料理、和食のブームが注目されている中、いよいよ和を取り込んだデザートの出番が待たれるところです。
■海外へ里帰りする和菓子達
 もともと私共がよく口にしている和菓子も、そのルーツを訪ねれば隣の中国や朝鮮半島を経由してきたものがほとんどで、数々のものが伝来しては独自のものへと進化してゆきました。この列島に住んでいる民族はアレンジが大変上手だったようで、国内にある食材を使って、あっという間に形や味までも変え、独特の文化とともに“和菓子”をつくり出しました。カステラや丸ボウロなどをはじめとした和菓子は、今や里帰りもしています。
■ 花ざかり団子
団子の団は團、円は圓。その文字の類似により、間違って伝えられてしまったといわれています。日本に根付いた丸くて小さな団子は、データによるとみたらし味が大半とのこと。
 となれば、さくら餅のような道明寺団子はいかがでしょうか。さくらの葉で巻けば香りもよく、行楽に喜ばれるのではないかと試作中。中は流行りの黒豆餡ではどうだろうか、ずんだ餡のさくら団子にしたらどんな味になるだろうかと、楽しみが拡がります。
 企画は楽しくないといけません。いつも笑い声の絶えない菓房でないといけません。同時に店舗に並ぶ春の団子達もぜひ笑顔がこぼれるようなものであってほしいものです。

 
城戸翔寉 きどしょうかく

和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。
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