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暑かった夏が通り過ぎてゆきます。店の中も、すっかり秋色のディスプレイ。夏場に発売できなかった、熱に弱い菓子たちが、北の方から再びお店に並びます。“秋色彩菓南下中”といったところでしょうか。
■“和のかたち”のチョコレート
さて、昨年来よりディスプレイの素材として八ッ橋をよく使いました。5枚重ねて、帯留め。干菓子の落雁や金平糖も、その美しさを引き立ててくれました。
落雁はチョコレートの代わりです。八ッ橋は板チョコが反らないようにするための強度を知る参考となりました。
“和”を取り込んだモダンなカタチは美しいものです。和菓子の持つ美しさは、他の世界の表現においても参考になると信じています。
■一重のパッケージ
桜餅の葉は春限定、初夏は柏葉、その後は笹の葉と続くと、秋は何の葉を用いればよいのでしょうか。柿の葉や紅葉はたくさんありますが、なかなか絵にならないものです。
そこで、和紙にフィルムを重ねた素材を使ってみました。団子3つを並べ、和紙で巻き、水引で止め、稲穂をつけて「豊穣団子」と命名しました。香りに好みがありますが、薄板を使って包んだものも好評でした。秋の菓子は、ネーミングまでしっかり
工夫してパッケージしたいですね。
■菓子がおいしい秋です。
この初秋に創業の節目になる友人より、何かよいアイデアはないかと相談がありました。即座に、店頭に並ぶ全種類を一つの箱にして紹介しては楽しいだろう、と答えました。私だったら一番喜ぶ企画の提案です。
日増しに空気も冷えてゆき、碗も厚めのものに変わります。秋のメッセージも深みのある言葉に変え、収穫の素材たっぷりの逸菓が待ちどおしい季節です。
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城戸翔寉 きどしょうかく
和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。 |