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虫の声とともに、祭りの笛の音や太鼓の響きが届く秋のステージもいよいよ終演を迎えます。豊作に感謝し、次の年の実りを願う今年最後の“まつり”です。
祭りは、“奉る”からの意味合いも持っていそうです。自ら田や畑を耕し、実りを待つ、何てやさしい民族なんだろうかといつも思うのです。
■菓子祭でマーケティングしよう
菓子処の下げ紙やちらしに、収穫祭や感謝祭・創業祭の文字が躍ります。とはいえ、その店先は、いつもと変わらない“店舗”の様ではないですか。店主や工場の方々は、こんなハレの機会にこそ店先に出て、お客さんと会話して欲しいものです。
なんといっても、「栗の甘みが違いますね」「小豆の皮が柔らかいですね」と、試食するお客さんとの会話、表情まで見届けることができる、リアルなマーケティングの場です。口に入れるには大きく、手で割るとポロポロ落ちて、など、つくり手側と食べる側と
のズレの発見も、大きな収穫。そういった細かい一つ一つをキャッチアップすることで、お客さまとの確実なコミュニケーションがはじまります。カタチだけの“祭”では、お客さまを呼べない時代であることにも気付いておられますか?試食価格の設定も、プライスダウンだけで終わるのは、あまりにももったいないです。一歩、ぜひ踏み込んでみてください。
■お菓子はコミュニケーションツールです
お菓子の味わいについても、店頭で楽しくコミュニケーションしたいものです。甘い話に声もはずみ、笑顔が店に花咲きます。
「スイーツだけでなく、ほのかな塩味のお菓子があってもいいよね」。お客さんとのちょっとした会話がきっかけで、私の周りでは「塩味を愉しむ菓子」の試作もはじまりました。塩は決して表に出るものではありませんが、お菓子であっても、縁の下の力持ちのようになくてはならない隠し味。絶妙の塩梅こそがまさにプロの技、なんですね。
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城戸翔寉 きどしょうかく
和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。 |