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季に折々
城戸翔寉さんの月刊コラムです(全国菓子工業新聞に連載中)。
歳時の話に店づくりに役立つ販促ヒントを折込んでお届けします。
 
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コラム〜FROM INSIDE
 


 新年のお慶びを心より申し上げます。
 門松があしらわれ、玄関には飾りが置かれ、日本のお正月は美しいものです。晴れ着で街を歩く姿にも和の国らしさが感じられます。今年一年、皆様にとりましても本当によき歳でありますよう願っております。

■六本木美術館を訪ねる
 さて、2005年暮れの雪が舞う中、都内の服飾デザイン展に出かけました。ビートルズが日本の音楽に大きな影響を与えたように、ビビアンのファッションもデザイン業界を振起させたようです、裂けたTシャツ、穴の開いたパンツと、次々に今の若者ファッションに反映されています。彼女のすばらしいところは、英国王室の服飾デザインの取り入れをはじめ、伝統と今をコラボレーションしていくところですが、基本はいかに美しく魅せるかにあります。

■動きをつくり出す
 大型スクリーンに映るファッションショーの衣装の素晴らしさは、想像どおりでした。歩き回るその度に開くスカートのラインの美しさ。動きまで計算された立体裁断の素晴らしさに感動しました。そしてこの印象が、新しい歳を迎えるための大きなヒントにもなったと思います。前置きが長くなりましたが、菓子もこうあるべきではないでしょうか。

■和菓子は小さな和の国のカタチ
 上生菓子の美しさをどんな皿に盛りつけて見せるか、どんな風におもてなしするかまで考えたディスプレイが魅力的なのです。お茶を点てるもよし、煎茶や中国茶に合わせるもよし、上生菓子をいただくシーンを和のよきテイストを使って、さりげなく伝えてみてください。朝生ならファーストフードのような気軽さを、あるいは野外でのコミュニケーションのお伴として。これに郷土の懐かしさや季の風などメッセージが加われば、申し分なしです。

■今年は和菓子の歳
 ほいっと出された椿餅、じっと見つめると、ふわりと浮きあがりそうな繊細さです。椿の花を一輪、器は備前の重厚さが似合いそうだと、イメージがふくらみます。餅を挟んだ葉の緑が餅の白さを引き立てている。やっぱりこの国には、ビートルズやビビアンのように人の心を惹き付ける菓子づくりが生きています。
 また一年、待っているお菓子の仕事のことを思うと楽しみです。これまで以上に和菓子が注目される歳となりそうです。

 
城戸翔寉 きどしょうかく

和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。
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