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友人の招きで、今年も“和菓子は文化なり”の講演をした。お正月、節分、ひな祭り、桜、七夕と続き、今回はお月見の話。
百名以上の聴講者のうち、私にとっても興味深い方々が毎回参加されている。中国か らの研修生。母国から伝わったさまざまな文化が和風なるものに仕上げられていることを実際どのように感じるのだろうか。一度伺ってみたいものである。
■“生”がよく売れています。
今年の暮からお正月にかけて、上生菓子がよく売れたとの話をあちこちで伺いました。それもギフト箱に入れているものが人気。そういえば、クリスマスケーキもとにかくショートケーキの詰め合わせがよく売れたそうです。大きなホールケーキは、核家族にはちょっともてあまし気味なのかもしれません。
いまや上生菓子はお正月に欠かせないものになっているようです。特に若い人が興味をもつようになったとのこと。お正月には着物、着物には上生菓子でしょ、と和スタイルの流れも感じられます。
■季節の取り込みには、和菓子です。
和菓子は季節感を表現できること、旬を味わえることが楽しみとしてありますが、 最近では異業種の広告などで、表現素材としての和菓子がよく使われるようになりました。料理も年中同じ素材が入手できるようになり、季節のアクセントがつけにくくなったといいますが、その分、季節の和菓子、上生菓子が注目され、デザートとしても取り込まれるようになりました。
ところで、上生菓子を置いている和菓子処に話を伺ってみると、普段はさほどブーム感がないとのこと。ひょっとしたら若い人には、お正月など歳時の際いただくお菓子という認識があるのかもしれません。店は繁盛しているのに、おそらく普段買い求めいただいている方の目にとまっていない、あるいは買いにくい、などが考えられます。
■菓子は文化なりけり
一つの商品を販売するためには、お菓子をつくり、パッケージし、ディスプレイし、売るといったどの段階でも手を抜けません。そのことを多くの菓子舗の方々が理解しておられるのは嬉しいことです。
対面販売では、商品価格に販売スタッフの売り方までが含められます。店頭に立つ 人によってお菓子の魅力が伝わるのは、素晴らしいことです。個々のモチベーションのみならずお店の信用だって確実に上がります。
2006年冬、トリノでは新しい世代の日本人チャレンジャーに期待が集まります。ど んな感動が待っているでしょうか、毎日楽しみです。
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城戸翔寉 きどしょうかく
和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。 |