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季に折々
城戸翔寉さんの月刊コラムです(全国菓子工業新聞に連載中)。
歳時の話に店づくりに役立つ販促ヒントを折込んでお届けします。
 
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コラム〜FROM INSIDE
 


  暖かくなりますと、つい背伸びもしたくなります。散歩にでかけると、木々のつぼみがふくらんで空に一斉に花咲かせんと枝をピンと張りつめていました。そこからはじまる“張る、”春。今年は桜前線も超特急です。

■伝統の「桜餅」、新作「桜創菓餅」。
 桜餅の生地を丸くせず、花びら餅のように折って塩漬けの桜花を載せた和菓子を口にしました。あんも味噌仕立て。ほのかに春を感じさせる逸品です。定番菓子をアレンジして折々の和菓子を創ってみる企画。初夏向けに、きな粉や黒ごまの団子にココアをまぶしたもの、苺に練乳を添えたあん入り団子なども試作され、どれも講評でした。伝統的な和菓子と若者が提案する新作菓子、いずれも甲乙つけがたし。菓房に店に楽しさ、新しさが広がります。

■粉の違いを話してみよう。
 もち米を水に入れ、十分重くなったところで挽き、乾燥させたのが“白玉粉”。餅米を蒸した後で乾燥させた“道明寺粉”。うるち米を乾燥させ粉に挽いた“上新粉”。お米の粉ひとつとってもこれだけの種類がありますし、菓子になった時の食感もそれぞれ。もちろんブレンドの妙も重なり、菓舗相伝の配合もあることでしょう。そんなお話がお客様にとっても楽しいもの、和菓子そのものの魅力を伝えるきっかけになります。
 例えば、七夕笹餅。織り姫とひこ星の二つの団子を違う粉でつくり、そこへ細短冊に見立てた羊羹や天の川に見立てた筋状のあんなどを加えます。お客さまが楽しみにしているのはそこに秘められた物語。和菓子をいただく楽しみの大半はイマジネーションにあるのです。

■美しい国、日本。
 空や宇宙からみた地球を映像でみることができる時代。その美しさの中に我が日本があり、列島の隅々にいたるまで、そこそこのお菓子が人から人へと受け継がれてきました。お菓子のカタチも風味も、物語とともに生きているから美しい、そんな風に思います。

 
城戸翔寉 きどしょうかく

和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。
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