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季に折々
城戸翔寉さんの月刊コラムです(全国菓子工業新聞に連載中)。
歳時の話に店づくりに役立つ販促ヒントを折込んでお届けします。
 
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コラム〜FROM INSIDE
 


 列島を縦断して花咲く、いい季節になりました。ここ数日、福岡は黄砂で太陽も届かぬありさま。でも、この黄砂のおかげで肥沃な土地も維持できているのですから、感慨深いものがあります。菓子も今の姿になるまでには、かなりの時間を要してきました。この歴史や道のりについて、もっと後進に伝える場を増やさなければと思っています。

■音のデザイン
 以前、お菓子やパンを、音が感じられるものでパッケージできないだろうかと話しておられた方から一報あり、「奏でる音を感じるパッケージ」という展示会へ行ってきました。会場は若い方たちでいっぱい。パリパリ、ふわりを感じる紙材でできたパッケージがあれこれと展示され、実際に使われていそうなものも多々。包む素材の多様化はたのしいばかりです。

■窯の中で奏でられる菓子の音
 ミルフィユは今や誰もが知っているお菓子です。「千枚の葉」を意味しますが、この菓子の美味しさは何といってもパイの層。軽やかさが売りの繊細なお菓子ですが、その分、美味しさも格別です。湿気るのを遅らせるため、仕上げにホワイトショコラを加えたり、アクセントづけに大納言小豆を入れたりと試してみたところ、新しい食感となり好評でした。その際、パイが窯の中で美しい音を奏でていないかと耳をすませたことを思い出します。商品名にも窯の中で鳴っているような音感を込めたいと思いをめぐらせました。

■歳時にも音を連れて
 子供の日、母の日、そして父の日、七夕と、これから歳時や行事が続きます。それぞれに音や旋律もありそうです。前述の展示会では、紙を自由に繰り素敵なパッケージをつくっていましたが、紙そのものを焼菓子や求肥、こなし生地などに置き換えてお菓子にしてもおもしろいし、子供にも伝わるものがあるような気がしました。
 この春訪れたNYセントラルパークも、きっと今は新緑から万緑へ向かっているころでしょう。通りを歩く人達の足音もリズミカル。レストランのフォークやナイフの音、お皿やカップの音もスタイリッシュに聞こえます。音は食べるシーンに不可欠な要素です。すっかり日本ブームになったマンハッタンはいつも活気あるオシャレな音に満ちています。

 
城戸翔寉 きどしょうかく

和菓子評論家、書家、企画コンセプター。福岡県出身。
和菓子と和菓子にまつわる歳時の話をわかりやすく解説する『和菓子講座』をはじめ、商品開発、店づくり、街づくりまでを手掛ける。
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