またまた原料危機に翻弄される業界とマスコミの影響〜Part Ⅱ
前回、パッケージ会社のトップとしてここにメッセージさせていただいた内容をアップデートして遅ればせながら本日もお伝えできればと思う。
中東情勢の悪化による原油由来のナフサが足りないとのことで、日々このニュースがうんざりするほど巡らされている。ただ他国と違って経済活動や通常の生活に制限を設けず、何とか調達をするしかないといった政府の努力には、さすが日本政府、経済や手配能力が高い政府がある国に生まれてよかったなと思わざるを得ない。
原油の代替ルートがどのように確保されているかの内情はわからないが、備蓄にも含めてある程度手配されており、それに期待せざるを得ない。
ただ、とにかく原油由来のナフサについて集中放火を浴びるように、食品包装資材がやり玉に挙げられ、恐ろしい値上げになるみたいなニュースは引き続き本当にやめて欲しい。
もちろん包装資材が上がれば製造原価は上がる。しかし包装資材の原価に占める割合はそんなに高くはない。もちろん食品の原材料は調達ルートなどがいろいろあるから、運賃の上昇などでそれ以外も値上げとなる要因がある事は否めない。しかしできれば、原価のコストのみをギリギリ上乗せして新価格としてはもらえないだろうか。少なくとも弊社のパッケージはそのように計算してお客様にお願いしている最中である。
そして現在で言われている事は、政府がそのようにナフサを手配して、来春まで調達の目処がついていると言うのに、どこかで目詰まりを起こしてるのではないかと言う疑念があると言うことである。これは大々的にマスコミで報道されていることなので、私としてはちゃんと伝えていただき、先買いや買占めといったことが起こらないようにしていただきたいと心から願うばかりである。
実際、スナック菓子メーカーなどはインクが不足しているからという事でパッケージをわざわざモノクロ印刷で白黒のみにし、それがだいぶニュースになったが、その直後にインキメーカーがインクが足りてない事は無いから、それに全体のコストに占める割合としてはそれほど大きくないからと言うことで、否定的なコメントを出していたことが記憶に新しい。
これも本当に足りないということではなく、どこかでいびつなことになっている表れだと感じる。
こういう事に既視感があるのは、前回も書いたように令和の米騒動の時もそうだったからだ。
我々のような末端ユーザを持っているパッケージメーカーは、素材メーカーから原材料が入ってこなければいかんともしがたいし、今回の件で一斉に談合をすることもなく、原料メーカーからとにかく大幅値上げですと言われてしまえば何も打つ手がない。
ただこのような危機は以前の酢酸エチルの問題もそうであったし、自然災害で供給が滞った時なども何度も経験をしているようなことである。
それに今回の問題はいきなり中東で石油が取れなくなったと言うニュースではなく、単に人為的心理的なものであるから、おそらく早いうちに落ち着くと見ている。地球の原油が枯渇するというニュースならばこれは深刻な問題であるがだれも話題にしない。
従来の値段で購入した材料については、特に価格を改定することなく、今まで通り供給させていただくのは当然。しかしながら、新しく原材料を仕入れたりするものについてはそうもいかないので、一時的な値上げ措置ということで仕入れ、そして航空会社の原油サーチャージのように将来的に価格が下がったときにはきちんと戻すので、今回はこの値段を受け入れてほしいとするしかないように思う。
あとはメーカーとしての姿勢の問題であるが、新規の注文は受けない、新規の得意先の商品扱いをしないと言うことが今多くのメーカーで対応されていることについては、私としてはあまり賛成できない。弊社としては在庫があるものは新規でもちゃんと必要な数をお届けするという姿勢に変わりは無い。もちろん通常より多くの注文を従来顧客からいただいたら品薄になってしまうものもあるのでそれには「お願いだから買いだめは遠慮ください」とせざるを得ないが、新しい問い合わせを無碍に断るのではなく、どのようにしたら皆様に必要な量を供給できるかと言うことにかかっていると思う。
今回の事は誰のせいでもなく、戦争を引き起こしてしまっている国のせいだから、日本の企業は互いにクリアする方策を考えながら、今ある在庫を大事にして安定供給を考えるのが肝要ではないかと思う。
必要以上にバタバタしないと先々月も申し上げたばかりだが、これが今や慣れっこにならないようにしたいし、やはり適正価格と需要と供給、そして経済の流れを考えながら、地に足のついた商売を心がけたいものである。
代表取締役 尾関 勇