忍び寄る素材ひっ迫の足音


今回はお菓子ではなく私どもの本業、パッケージに起きている事件の話である。

長らく包装資材は安定供給がなされ、価格も落ち着いていた。その上、様々なメーカーの銘柄から選択ができそれも安心できる国産のものがほとんどを占めていた。

ところが、今年から急な変化が訪れることとなる。
アルミ箔やポリエチレンなど資材原料に始まり、ついにはほとんどの複合フィルムに欠かせない、ラミネートに使う溶剤の酢酸エチルがかつてない不足という危機に陥ったのである。こんなことでもなければ酢酸エチルなんていう名前すら聞くことがなかった方がほとんどであろう。

酢酸エチルは国内ではもう2社ほどしか作っておらず、多くを中国からの輸入に頼っているのが現状である。
その中国でなぜ供給が止まったかというと、電力不足による工場の稼働低下、そしてその元たる要因はCO2の急な削減を指示した中国政府にあるのだ。

地球温暖化は世界全体の課題であり、CO2排出削減は取り組まなければならない最優先課題であるのは間違いない。 しかし、中国国内の経済状況も左右する急激な電力供給削減はどういった意図があるのだろう。

そういえば自動車のみならず、様々な産業機器に欠かせない半導体不足も大変なことになっている。
昨日、大手家電量販店でPC用のプリンターを購入しようと行ったのだが、ものの見事にオール欠品であり、入荷は年内にあるかどうかだそうだ。

ラミネートも半導体も、私たちの現代社会を支える大事な素材でありこれらは国レベルで安定供給と価格の安定を図らねばならないもの。しかし、地球温暖化は生産活動が控えられた2020年のコロナ禍でも過去最高の悪化を記録した。

果たして何が正しいのか?コロナ禍というリセッションを経た人類が、とるべき経済活動と環境保護のバランスを考えた行動を深慮してみたい。


尾関 勇