どうにもこうにも様々な物資の値上げが止まらない。

衝撃的なガソリン価格はご存知の通りであるが、まず生活に直結するを食料品の価格は2014~21年に約8.0%上昇したそうだ。内訳は果実24.6%、魚介類17.3%、菓子類13.4%、肉類11.5%など。同じ期間の他の商品全体の伸び率は2.4%。食料品の値上がり具合が突出している。

 

そこで消費支出に占める食料品の割合のエンゲル係数が、2000年代はおおむね23%台(2人以上の世帯)で推移していたが、14年以降に上昇カーブを描くようになった。14年に24%を超え、15年は25%、16年は25.8%とアップ。17~19年は安定していたが、コロナ禍の20年に27.5%と再び急上昇した。

 

これは新型コロナの感染拡大で旅行やレジャーへの出費が抑えられ、消費支出は減少傾向の一方、自宅時間が長くなり、食材などを使って料理する機会が増加。エンゲル係数を算出する際の分母となる消費支出が減り、分子の食料費は増加してエンゲル係数が高くなったと言えるようだ。

 

そして気になるのが生活水準が低いとエンゲル係数は高くなるということ。戦後間もないころの日本のエンゲル係数は約66%に達していた。1950年代は42~57%、60年代に入り40%を切り、70年代の後半に20%台まで低下した。

ところが今回再び上昇に一転。例えば米国は15%台、ドイツは18%台である。これは日本の国力が低下したということの一つの指標と言われている。

 

長期的な円安傾向、そして年初来からの円の弱さも際立っている。円は2021年に入って、主要通貨の中で最弱通貨となっており、名目実効レートでは6%弱下落しているそうだ。

いい円安は、海外で稼ぐ企業にとってはいいが、多くの食料品を輸入に頼る我が国にとっては大打撃である。

コロナ禍からの経済的な立て直しも主要先進国で遅れており、思い切った策を講じないと中長期的にどんどん経済がシュリンクしてしまいそうである。

 

(出典:日刊ゲンダイonline)

 

尾関勇