ますます高まる個人消費の動向
昨年1年間は、コロナ明けの爆発的な需要回復が一服し、試行錯誤の連続だったのではないでしょうか。 資材メーカーである弊社も同様ですが、菓子店様におかれましても、価格改定による収益改善を図りつつも、その先の大きな需要をどう掴むか、SNS対策や動向把握に翻弄された一年であったとお察しいたします。
現在、市場を支えているのは堅調な個人消費です。しかし、それは単にSNSを強化すれば良いという単純なものではありません。「十人十色」という言葉通り、お客様の嗜好は極めて細分化されています。ある時はマニアックに、ある時は特定のジャンルに動向が移っていくことを考えていかないといけないのではないかと思われます。お客様の動向は、私たちが想像する以上に複雑に移り変わっています。
老舗の閉店に長蛇の列ができる一方で、新しいファストフード的な店舗に若者が押し寄せたり、特定の世代にだけ熱狂的に支持される店が現れたりと、非常に読み解きにくい世の中になりました。
しかし、こうした個人消費の波を捉えたお店は、和洋問わず昨年秋頃から堅調に推移しているようです。インバウンドの活況が報じられる影で、実は国内のシニア層や日本人客が、海外ではなく「国内の良質な体験」に旺盛な消費を向けていたことがうかがえます。
では、今の消費者は何に反応しているのでしょうか?
それは、自分の感性に合うニッチな「スペシャリティショップ」へのリスペクトを起点とした消費です。お店側が媚を売るような宣伝をするのではなく、自らのこだわりを毅然と発信している姿に、消費者は価値を見出しています。
かつてのように、お中元やお歳暮といった「儀礼」に頼れば一定の売上が確保できた時代は過ぎ去りました。これからは個人にフォーカスし、お客様からのリスペクト(共感と尊敬)を得て、新しい価値を創出する戦略が不可欠です。 エッジの効いた自店の個性を市場に問いかけ、新たな顧客層を掴んでいく。そんな一年を、皆様と共に歩んでいきたいと考えています。
代表取締役 尾関 勇