循環型パッケージ一考

5月は何を始めるにも良い月とよく言われる。その理由の1つに5月5日の立夏がある。物事は立夏の日とともに勢い強く立ち上がっていくと言う話もある。

2年以上とても異常な生活スタイルを強いられた全世界の人々にとって、そろそろそれから脱却し、しかしながらこの間のことは忘れずに新たなライフスタイルに向かっていくそんな記念日になりそうな5月5日である。

パッケージ、包装資材もまた然り。やはりSDGsなどで言われている通り、CO2排出をできるだけ抑えるとともに限りある資源である石油を多く使わない、循環できる資材でパッケージを作ると言う事は至上命題であり、今まであまりにも多くのパッケージを作り地球を汚してきてしまったことに業界の端くれながら強い反省の念がある。

思えば今から90年前私の祖父がこの会社を立ち上げた時、それまで日持ちしない単純なパッケージ文化だったものが、産業革命以降の科学技術の発展とともに日持ち包装と言うものに目覚め、最初はアルミ箔と紙を糊で張り合わせそれを食べれる食蝋でくっつけて羊羹を密封させるなど、一気に保存できる包装資材に花開いたと言うことがあった。

その後、ラミネート技術と言うプラスチックを薄く伸ばしたもの、それが熱を加えると接着するものに登場することにより(これは日清製粉のチキンラーメンの最初と言われているが)個別包装が劇的に変化したと言うことがある。

その後保存食品を求められた戦争がいくつかあり、技術は格段に上がりそれらが高度成長期の旅行ブーム人口の爆発にうまく呼応して産業が花開いたと言う歴史がある。

だが今はそれを転換点として考えなければいけないのだと思う。

パッケージメーカーの多くが桐箱や木箱製造を発祥とするところであるのは意外にご存じないかもしれないが、その時代はとてもエコロジカルであった。それらの木材や紙は日常品の収納として再利用したり、薪として燃やしたりして上手に循環をされていたと聞いている。

さすがに現代そのようなことにはならないまでもとにかく循環していくと言うことが何よりも大事であると思う。

私どもが注目しているリサイクルプラスチックはまだまだ普及率に余地があるが、食品として利用されたプラスチックをちゃんと選別して購入し、日本の高い技術でそれをリサイクルシートとしてまたプラスチックに使うことができれば原料となる石油を大幅に減らせるばかりか、当然CO2排出の抑制に役に立つ。

プラスチックは意外にもリサイクルに向いた優秀な素材なのである

紙や金属に比べて圧倒的な高性能であるプラスチックをやはりちゃんと見直して、リサイクル形の社会を目指すことが大事なのではないか。

一部に生分解性フィルムや植物性のプラスチックがもてはやされているが、ほとんどが地球の裏側から多くの石油燃料を使って持ってくる輸入品であり、本当にそれが良いのかどうか甚だ疑問な点も残る。

日本国内でプラスチックのリサイクルがきちんと回ればそれが本当は1番良いものなのではないかと心から思う。

 

尾関 勇