人の営みと製造業

私たちの大切なお客様の多くがお菓子の製造業である。

この業種の歴史は古く、記録を探しても室町時代まで数百年遡ることできる、由緒がありそして誇り高き職業とは誰もが認めるところであろう。
同様に建物を作る建設業や造船業、製鉄業、医薬品製造なども古くから存在する。
そして広く世間に視野を向ければ、戦後の我が国日本がここまで発展したのは製造業である事は周知の事実である。

近年、同じように繁栄をしてきた韓国、そして中国に至っても製造業がやはり主力として国を大きく豊かにしてきた。そして今アジアの各国は、新たな製造業の拠点として存在感を高めている。世界の中でも、もはやアジアの製造業を抜きには、経済どころか人々の営みも続けることが困難であるのだ。

ところが、最近は学生が就職するにも、まだ起業するにも、製造業の人気が今ひとつな感じがする。そして製造業の存在感がその他の業種と垣根がともに曖昧になっているのが事実である。

例えばその他の業種でいうと、不動産仲介業、中古品のリサイクル業、金融や投資仲介業はもとより、人材紹介業などあらゆる仲介ビジネスで利ざやを得るなりわいが近年はとても増加したように思うのは私だけではないだろう。

そしてその多くが、インターネットでのビジネスが活発になってから格段に増え続けていると言うこと。製造業がその一方で、あまり活発に見えない言う事実がある気がしてならない。コンピューターのシステムエンジニアやプログラミングを行う方々、また最近話題のAIなどはある意味製造業であることは間違いないが、人間のなりわいに必要なわかりやすい製造業(農業など一次産業なども含めて)になかなか人気が集まっていないようにも思えるのは私だけであろうか。

例えば災害の時などにいつもはっきりするが、まずは電気(これも製造)水道(これも自然から恵みを預かって配給する、ある意味製造業)ガス(これも当然水道と同じ)そして食料の供給と言ったところが一番重要な関心事であるのは否めない。それだけ人々の関心を集め、ニュースになるのは、製造業がいかに人間にとって大事かと言うことを目の当たりして気づいているからだろう。

逆の見方からすると、インフラが行き届いて、一見、何事もないような設備の整った社会、そして平和な都市では、どちらかと言うとスマートな仲介業が幅を利かせて製造業が少し肩身が狭くないだろうか。
都会では食品スーパーやその他店で売っているものは、一体どこから誰によって運ばれてきたものなのか気にしたことはあるだろうか?どこで誰が作っているものなのか分からない状態で、毎日ただ淡々と消費していく状況が、普通なことであるのが少し怖い感覚が否めない。

もし富士山の噴火や南海トラフの地震などが起こってしまったら、皆生存で必死になり、改めて食べ物や生き抜くために必要なもの、洋服なども、失われたら、それらを作る製造業がとても必要であるなどといったところに視点が向くのではないだろうか。

そしてその中でも菓子業は、ぬくもりや癒しを与え、人々の生活を豊かにし、そして脳を始めとする人間の栄養に欠かせないものを摂取することができる生業として、ずっと必要とされるであろう。

私たちパッケージももちろん製造業。パッケージがなければ便利に食品をあちこちに届けることなどできないのでこれも必要とされるであろう。

世界で紛争が絶えなくなった今だからこそ、このようなご時世だからこそ、人間のなりわいの基本としての製造業の大切さを忘れずにいたいと思います。

代表取締役 尾関 勇