またまた原料危機に翻弄される業界とマスコミの愚策

皆様もご存知の通り、中東情勢の悪化ニュースは今世界中を巡っていて日々翻弄されている。一時停戦のニュースが回ったものの、これは当社業界や日本人だけではなく、世界的に生活インフラや経済を直撃していて本当に困った問題である。

日本国内に限って言えば、これによる特定の業界、商品などを対象にマスコミが騒ぎたてすぎるのが非常に問題でもあるのをお気づきだろうか?原油由来のナフサについてかなり集中放火を浴びるように、食品包装資材がやり玉に挙げられ、それがなくなったら生活が成り立たないとか、精肉や野菜が包装資材の高騰で小売価格を相当上げないといけないとか騒いでいる。

はあ?とため息をつきたくなるが、仮に1,000円の牛肉のパック商品に占めるトレーとラップのコストは2%だとしたら20円にも満たず、300円のトマトの袋も同じく、高くても15円にも満たず、それでなんでそれぞれが小売製品価格の20%くらい、つまり200円や60円の小売価格値上げになるという報道になるのだろうか?包装資材が仮に50%値上げになってもそれぞれ10円以下の原価コストアップである。小学生でもおかしいとわかる答えである。

これを知識のないコメンテーターが言うことが毎日のようにテレビ番組で見て語られ、それに踊らされているのが現状である。
反対に農業用資材や建築資材、運送業界の困窮ニュース、値上げニュースは、かなり少ない。おそらく選挙に影響力の高い地盤業界だから??疑わざるを得ない。

もちろんあらゆる素材のベースとなる原油がなくなれば、私たちの生活は成り立たなくなってしまう。なのに、食品の包装資材のことにかなりのウェイトが裂かれて報道されていることについては、はなはだ遺憾である。おそらく生活に密着している大都市圏のスーパーや商店街のほうが取材がしやすく、一般庶民にとっても反応しやすい話題であるからなのかもしれない。
そういう場合の街頭インタビューは対象が大抵シニアか主婦ばかりで、「なんでも値上げでこれでは買い物もできない。あまりに食品が高い」と総論で適当な感覚のインタビューを全国ネットで尺を取って流すのが多くなっている。

既視感があるのは、令和の米騒動のときもそうだったからだ。

いまお米はどうだろうか?ちゃんと適正価格で買えますよね?あの時米食をやめて代替で麺食メイン?提案をしていたマスコミはなんだったのでしょうか?そもそも米食が減ってきていることが物事の根源なのに本当に頭が悪いと言わざるを得ない。

我々のような末端ユーザを持っているパッケージメーカーは、素材メーカーから原材料が入ってこなければいかんともしがたいし、今回の件で一斉に談合をすることもなく、原料メーカーからとにかく大幅値上げですと言われてしまえば何も打つ手がない。一部ゲリラ的に粗悪な輸入品をセールスする連絡など来ているが、良い品質の保証のことを考えるとそう言うわけにはいかないのが現状である。

ただこのような危機は以前の酢酸エチルの問題もそうであったし、自然災害で供給が滞った時なども何度も経験をしているようなことである。

それに今回の問題はいきなり中東で石油が取れなくなったと言うニュースではなく、単に人為的心理的なものであるから、おそらく早いうちに落ち着くと見ている。地球の原油が枯渇するというニュースならばこれは深刻な問題であるがだれも話題にしない。

そうなるとそれまでの数ヶ月の期間とその余波をどのようにパッケージ会社としてクリアしてかと言うことが1番重要である。

従来の値段で購入した材料については、特に価格を改定することなく、今まで通り供給はさせていただくのは当然。しかしながら、新しく原材料を仕入れたりするものについてはそうもいかないので、一時的な値上げ措置ということで仕入れ、そして航空会社の原油サーチャージのように将来的に価格が下がったときにはきちんと戻すので、今回はこの値段を受け入れてほしいとするしかないように思う。

あとはメーカーとしての姿勢の問題であるが、新規の注文は受けない、新規の得意先の商品扱いをしないと言うことが今多くのメーカーで対応されていることについては、私としてはあまり賛成できない。弊社としては在庫があるものは新規でもちゃんと必要な数をお届けすると言う姿勢に変わりは無い。もちろん通常より多くの注文を従来顧客からいただいたら品薄になってしまうものもあるのでそれには「お願いだから買いだめは遠慮ください」とせざるを得ないが、新しい問い合わせを無碍に断るのではなく、どのようにしたら皆様に必要な量を供給できるかと言うことにかかっていると思う。

今回の事は誰のせいでもなく、戦争を引き起こしてしまっている国のせいだから、日本の企業は互いにクリアする方策を考えながら、今ある在庫を大事にして安定供給を考えるのが肝要ではないかと思う。

必要以上にバタバタしない。マスコミもバタバタと煽り立てない。人間はいつも同じ行動を取るパターンから逃れられないのだろうか?

代表取締役 尾関 勇